コンビニ


2004年、俺はとあるコンビニでバイトをしていた 
近くの高校のDQN数人がたまり場に使っており、駐車場は散らかすわ、原付はふかすわ、長時間座り読みするわ 
もう辟易としてた 店長が良く怒鳴りつけてたが、次の日になるとまた現れる 
 
その日の夕方、客は白い杖をついたおばさんと、付き添っている小学2年くらいの女の子、DQN2人 
不意に大きな揺れが起こり、地震だ!と店長が叫び、俺はとっさにレジ裏の菓子折が倒れてくるのを防ぐことしかできなかった 
ふと見ると、DQN2人がおばさんと女の子へ駆け寄り、ガラス戸から離れるよう肩を抱いて誘導していた 

揺れはすぐに収まり、幸いけが人は出なかった 
おばさんと女の子はDQNに何度もお礼を言い、帰って行った 
店長「おう、なんだ、お前らいいとこあるじゃねーか、ありがとな..」というとDQNはなんか恥ずかしそうにモジモジしてた 
そのあと、二人は散乱た商品の片付けを手伝ってくれた 
店長は礼に、とパンとコーヒーをおごってた 

その後もやつらはうちの店をたまり場にしていたが、ゴミを散らかしたり、迷惑な立ち読み等はしなくなった 
それでも、駐車場にたまられては迷惑、とのことで店長は裏の自宅の駐車場を貸してたw 
そのうち、引きこもりがちだった店長の一人息子(中学生)と仲良くなったみたいで、一緒にパワプロとかしてた 
店長は悪いことを教えられるんじゃないかと心配そうだったが、 
徐々に社交性を取り戻していく息子の姿を見てうれしそうだった たばこだけは絶対禁じてたけど 

やがて、DQNたちは高校を卒業し、それぞれの道を歩んだようだ 
一人は地元の大学に進学し、一時期うちのコンビニでバイトしていた 
店長の息子は、高校進学を決め、地元でも有名なヤンキーの先輩を持つ男として、 
一目おかれながら学校へ復帰したようだ それがいいことかどうかはわからないが、 
とにかく彼は自分の意志で部屋を出た その後大学に無事現役合格したと聞いた 
店は今も健在 もう年賀状でしかやりとりをしていないが、店長は元気みたい 

俺の大学時代のいい思い出です